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Unit 01-A: リスク構造調整による新しい制度設計

東京大学大学院経済学研究科教授 岩本 康志 

 日本の現役世代のための公的医療保険は、大企業労働者のための組合健康保険、中小企業労働者のための協会けんぽ、公務員のための共済組合、自営業者・無職者のための国民健康保険に分かれている。それぞれの財政は基本的には独立しているため、被保険者の所得水準の違いによって、財政状況に格差が生じている。組合健康保険、共済組合の財政状態は比較的安定しているが、協会けんぽは組合健保よりも厳しい状態にある。国民健康保険の財政状況はさらに厳しい。
 公的健康保...