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Unit 05-A: 地方分権に関わる政府間財政移転の課題

千葉商科大学政策情報学部准教授 小林 航 

1.はじめに

 地方分権に関する議論を進めていくと、機能配分と財源配分の議論に行き着く。前者については地方公共団体(地方政府)が担うべき役割は何であるかが問われ、後者についてはその役割に対応する財源をどのように割り当てるべきかが論じられる。
 伝統的な政府間機能配分論では、表1のように「財政の三機能」という考え方に基づいて政府の役割を分類したうえで、資源配分機能のうち地方公共財の供給については地方政府が担うのが効率的である、とされる(分権化定理...